パックを剥いては爆死し、カードをドローしては事故り、ガチャを回してはドブるカエルです。グギギ……。この世が憎い……。どこかに回せば絶対当たるガチャはないものか……。ハイ、そんな都合の良い物は中々ないですね。では自分で作りましょう!
というワケで、今回のMTGのデッキ紹介は6連ガチャの悪名高いこの「霊気池の驚異」を軸にしたパイオニアのコンボデッキです!君はSSRを引くことができるか!?
あ、そうそう。先に言っておきますけど、このデッキはスタンダード時代にキーパーツが軒並み禁止された曰く付きのモノなので、組むときは自己責任でお願いします。
6連ガチャ
説明しよう!霊気池の驚異とは、かつてMTGのスタンダードを席巻したインチキガチャガチャマシーンである!その能力は、様々な手段で貯めたエネルギー・カウンターを6個消費することで、デッキの上から6枚めくり、その中から1枚選んで踏み倒せるというもの。一見不安定に見えるが、ほぼ100%何かしらのアドバンテージを得られる上に当たりを引けばまず勝ちとリターンが大きく、当時の環境においてガチャ回しはチャメシ・インシデントであった……。
この極悪なガチャマシーンをパイオニアに持ち込み、より広がったカードプールを悪用するのが今回のコンセプトなのだ。
今回のピックアップ対象
ガチャの仕様の話が終わったら続いて当たり枠のお話。何しろどんなコストでも踏み倒し放題ですからね。強烈なカードが山盛りですよ。
絶え間ない飢餓、ウラモグ
ウラモグは唱えたときにパーマネント(場のカード)を2枚追放(除外)できてしまうという強力な能力を持っています。霊気池から最速4ターン目に登場し、そのままマナ源である土地などを吹っ飛ばしていく様は圧巻です。
本来10マナなだけあって、他の能力もヤバヤバです。文字通り破壊されなくなる破壊不能に加え、攻撃する度に相手のデッキを20枚消し飛ばす豪快過ぎるデッキ破壊能力も持っているのです。この能力の存在により、仮に相手が除去耐性や高パワーにもめげずに壁を並べて時間稼ぎを試みたとしても、それを許さずに確実にゲームを終わらせることができます。
ギリギリ素出しを狙えなくもないのもポイント。
約束された終末、エムラクール
このクリーチャーは唱えたときに対戦相手を洗脳し、その対戦相手の次のターンを丸々乗っ取ることができてしまいます。洗脳が解除された相手にはその埋め合わせと言わんばかりに1ターン与えられてしまいますが、ターンを返すまでにバーンや除去を自分に使わせたり、クリーチャーを自爆特攻させたりしてめちゃくちゃにしてしまえば、1ターンではどうにもならない程の損害を与えられるでしょう。仮に上手いこと相手の場や手札を荒らせなかったとしても、13/13の巨大なサイズに加えて飛行(飛行と到達以外にブロックされない)とトランプル(ブロック貫通)によるダメージの通りやすさ、プロテクションによってインスタント(魔法)から対象に取られずダメージを受けないという除去耐性があるので、そのまま2回殴って勝負を決められます。
また、素のコストは13マナとウラモグより重いのですが、自身の能力によってコストが軽減されるので、コチラもギリギリ素出しを狙えます。
精霊龍、ウギン
ウギンでシースー。このカードのようなプレインズウォーカーは、体力兼能力起動コストである忠誠度を増減することで、各自分のターンに1度、強力な能力を使えます。ウギンの場合は対象へのバーンと全体除去と大規模なハンド・ボードアドバンテージ獲得の選べる3タイプ。特に有用なのが2番目の能力で、任意の数だけ忠誠度を払い、その数以下のコストかつ有色のカードを全て吹っ飛ばします。ウギンの初期忠誠度は右下にあるように7なので、出した時点で7マナ以下のカードはいないも同然になるのです。しかも、トークンは基本的にマナ・コストが0ですから、忠誠度の消費なしに除去できてしまいます。対ウィニー用に1枚は欲しいですね。ちなみに、土地は無色扱いのため除去できません。
人知を超えるもの、ウギン
ウギン2枚目。
なんと言ってもこのデッキではコスト軽減能力が強力!霊気池本体はもちろん、その補助のために採用されているカードの大部分は無色ですし、フィニッシャー連中も基本は無色ですから、デッキの中心となるカードはどれもコスト軽減をしてくれると言っても過言ではありません。加えて自身のコストが比較的軽いのもポイント。これらの特徴から、霊気池から出すフィニッシャーと言うよりかは繋ぎの中堅的なポジションになります。(爆発力も少し控えめだし……。)
あとこっちのウギンは中古価格が大分安いですね。
全知
デッキのカードを踏み倒すという霊気池の性質上、手札に来てしまったフィニッシャーはかなり邪魔な存在になってしまいます。普通なら頑張って土地を並べたりしてマナを伸ばして素出しする以外にありませんからね。そんなときに助かるのがこの全知。コイツが場に存在する限り、手札のカードを何でも使いたい放題になります。腐っていたウラモグやエムラクールを叩き付けて対戦相手を絶望させましょう!皆も一緒に全知、しよう!
今回は5枚のカードを紹介しましたが、霊気池のフィニッシャー枠は意外とカツカツなので、ノリで買いまくったけど採用できなかったなんてオチには注意!
石の貯め方
続いてガチャ石に相当するエネルギー・カウンターとその貯め方についてです。
エネルギーはそれ専用の能力によってのみプレイヤーに与えられるカウンターで、何もしなくても勝手に手に入るなんてことはありません。しかし、その分様々な能力(今回はほぼ霊気池にしか使いませんが)のコストとして活用できます。近いのは遊戯王の魔力カウンターでしょうか。アレはプレイヤーではなく各カードに蓄積する形態ですけどね。
エネルギーは霊気池の自分のパーマネントが墓地に行く度に誘発する能力(ちなみに霊気池自身が墓地に行っても誘発する)でチマチマ貯めることもできますが、メチャクチャに悠長で正直待っていられません。そこで活躍するのが次に紹介するエネルギー関連カードです。
霊気拠点
霊気拠点はマナを生み出す土地であり、かつエネルギーの供給源でもあります。特にコストも不要で、ただ場に出すだけでエネルギーをくれちゃうのはそこそこ嬉しい。その辺で配ってるティッシュより嬉しい。普段は使い道の限られる無色のマナしか出せないものの、エネルギーを使えば好きな色のマナを出せるのも事故防止に役立ちます。ただし、濫用すると肝心な場面でエネルギーが足りなくなってしまうので、その点は注意が必要です。
霊気との調和
初手に絶対欲しいのがコチラの「霊気との調和」。たった1マナで使えるのに、欲しい土地をサーチすることで次のターンの動きを保証しつつデッキを1枚薄くし、更にエネルギーを2つ、つまりガチャ1/3回分獲得できると至れり尽くせり。スタンダード禁止経験は伊達ではありません。
ガラス吹き工の組細工&織木師の組細工
調和を撃ったあとの2ターン目は組細工の出番です。
ガラス吹き工は出したときに占術2とエネルギー2つの獲得ができます。占術Nとは、デッキトップをN枚見て、それらをデッキの上か下、またはその両方に好きな順番で戻す行為のことです。コレでデッキ操作を行い、3ターン目、4ターン目の動きをより安定させるのです。
一方で、織木師はライフ3点とエネルギー3つがもらえます。回転の安定には貢献してくれませんが、エネルギー効率の高さは断トツです。それに、パイオニアの追加コストなどのない2マナバーンカードの火力基準が3点ダメージ(「ボロスの魔除け」は4点だけど)なので、ある意味1枚分のカードアドバンテージを得られるとも考えられます。
コレだけでもやり手な組細工ですが、更に便利なことに、自身を生け贄にしつつ合計3マナ支払うことで、場に出したときの能力をもう1回使うことができるのです。組細工はとりあえず出しておけば次のターンも何かしらできるという1粒で2度美味しいカードなのだ。
つむじ風の巨匠&ならず者の精製屋
3ターン目。いよいよ霊気池直前ですが、流石にここまで場ががら空きだと怖いのでそろそろ壁になるクリーチャーが欲しいところ。そこで登場するのがこの2枚です。
ならず者の精製屋は場に出たときに1ドローとエネルギー2つをくれます。今までのカード紹介を見ればわかる通り、霊気池デッキに採用されるエネルギーカードは大体2つ以上のエネルギーをもたらしてくれるので、毎ターン何かしら使っていれば、精製屋を出すことでノルマのエネルギー6つをクリアしつつ1ドローできる計算になります。このドローで霊気池をキャッチできればもうウッハウハです。壁としての性能ですが、精製屋はタフネス(体力)が2しかなく、簡単なことでポックリ死んでしまいます。しかし、代わりにパワーが3あるので、相討ちくらいはできるでしょう。
つむじ風の巨匠はエネルギーを3つもくれますが、トークン生成能力の方も重要です。コストがエネルギー3つと少々重めですが、マナを一切消費せずに壁を増やせるのはいざというときに役に立ちます。自身の能力で獲得できるエネルギーと丁度同じ量なので、1枚で2体のクリーチャーを出せるカードという捉え方もできます。
他にも色々なエネルギーカードが存在しますが、全部紹介するとキリがないのでこの辺で。仮想敵に合わせて採用したりしなかったりしましょう。
コレがガチャデッキじゃ!
恒例のデッキレシピ紹介。霊気池デッキはガチャマシーンは引きたいけどフィニッシャーは引きたくないという難儀な性質があるせいで調整が結構難しいので、あくまで参考程度にしておいてください。
【MTG レシピ】 | |||
商品名 | |||
青赤緑霊気池 | |||
霊気との調和 | |||
導路の召使い | |||
ガラス吹き工の組細工 | |||
織木師の組細工 | |||
蓄霊稲妻 | |||
ならず者の精製屋 | |||
霊気池の驚異 | |||
予想外の結果 | |||
精霊龍、ウギン | |||
絶え間ない飢餓、ウラモグ | |||
全知 | |||
約束された終末、エムラクール | |||
植物の聖域 | |||
繁殖池 | |||
蒸気孔 | |||
踏み鳴らされる地 | |||
霊気拠点 | |||
寓話の小道 | |||
島 | |||
山 | |||
森 | |||
サイドボード |
このリストはガチャログ.comによって作られました。
このリスト登録番号「89383229」をガチャログで編集できます。
そうそう、1回分のガチャチケとでも言うべき「予想外の結果」も追加で採用しました。コレで更にガチャを回せるぞ!
予想外の結果は霊気池と違ってトップ操作のイカサマができない上に1枚だけしか捲れませんが、代わりに土地が捲れてもあまり損がなく、2ターン目に「導路の召使い」を出せていれば1ターン早い3ターン目にガチャを回せるという強みもあるので、「もっとガチャ回したい!」だけで終わらないのが魅力的ですね。
デッキ全体の注意点としては、色が合うデッキに雑に採用されがちな「時を解す者、テフェリー」や踏み倒しメタとして代表的な「墓掘りの檻」がかなり無視できないレベルの弱点になっています。
霊気池や予想外の結果による呪文踏み倒しはそれぞれの能力の解決中に行われるのですが、そのタイミングは「ソーサリーを唱えられるとき」として扱われないため、テフェリーが場にいるだけで封じられてしまいますし、また、ライブラリー(デッキ)から直接呪文を唱える行為でもあるので、バリバリ檻に引っかかってしまいます。
これらの対策カードを更に対策するため、サイドボードには最低でも「神秘の論争」と「削剥」は入れておいた方がいいでしょう。
モダンはもっとスゴイぞ!
霊気池はパイオニアよりも広いカードプールのモダンでも使うことができます。使用できるカードが増えたことで、モダンの霊気池は安定性・爆発力が共に強化されています。よりパワーアップしたバージョンを楽しみたいならコチラのフォーマットで組んでみるのも良いのではないでしょうか?(モダンは最近パイオニアの隆盛に押されてちょっと人気が下がってる感がありますが……)
デッキを掘る手段色々
パイオニアの霊気池デッキは霊気池を引けなきゃ話にならない癖にデッキを掘る手段が貧弱で、無理なく採用できる物と言えば既に紹介した物を除くと「発生の器」くらいでした。
しかし、モダンでなら話は違います。
「古きものの活性」は一気に5枚もデッキトップをめくって霊気池をはじめ、そのとき必要な無色のカードを土地でも組細工でもなんでも持ってきてくれますし、「差し戻し」は相手からの致命打や妨害をいなしつつ、デッキに眠る霊気池まで1歩進んでくれます。
フィニッシャーがパワーアップ!
雑に投げればとりあえずアドバンテージが確定するウラモグと違って、エムラクールは相手の手札や場への依存度が高く、ぶっちゃけ使いにくいクリーチャーでした。ですが、そんなエムラクールは実はパワー調整がなされた言わばリメイククリーチャー。モダンにはリメイク前の初代エムラクールが存在する!それがコレだ!
旧エムラクールこと「引き裂かれし永劫、エムラクール」は、最強のエルドラージとの呼び声も高い最高のフィニッシャーです。唱えられればまず妨害されない打ち消し耐性に加え、唱えるだけで追加ターンが貰えてしまう豪快さ、そして、いざ攻撃となればそれによって誘発する滅殺6によって相手に6枚のパーマネントの生け贄を強制できる破壊力と、霊気池で捲れればまず勝ちの超大当たりカードです。コレに比べれば、他のカードなんてほとんどが霞んで見えてしまうでしょう。
ガチャ以外の手段もあるよ
デッキ紹介でも言及した通り、霊気池はデッキのカードを踏み倒すカードなので、フィニッシャーを素引きしてしまうとかなり困ってしまいます。全知を出せればそれもどうにかできますが、まあそんな都合良くはいかないでしょう。開き直って素出しをするにしても、旧エムラクールレベルになると流石に無茶です。しかし、モダンのカードプールならこの悩みもスマートに解決できます。
「裂け目の突破」は、手札のどんなクリーチャーも踏み倒し、その上召喚酔いを無効化する「速攻」を付与できます。唱えずに直接戦場に出すため、唱えることを条件とするエムラクールの追加ターン能力やウラモグの追放能力は使えませんが、攻撃誘発能力や素のパワーはそのままなので特に問題はありません。裂け目の突破で出したクリーチャーはターン終了時に生け贄に捧げられてしまうデメリットもありますが、まあエムラクールで1回殴っても勝てない盤面なら何やっても負けますし気にする必要はないでしょう。
ただし、裂け目の突破を採用する場合はウギンや全知を採用しにくくなる点には注意してください。あくまで踏み倒せるのはクリーチャーだけですからね。
さて、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。長々と紹介文を書きましたが、ガチャはやっぱり自分で回すのが1番!禁止のリスクを負う覚悟ができたら、是非実際に組んで回しまくってみてください!