日本大学法学部TCG研究会

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「灯争大戦」発売!邪龍ボーラスとの最終決戦!

就活のことがなにもわからないカエルです。

遂に5/3(金)にMTGの最新エキスパンション「灯争大戦」が発売されましたね。その記念&宣伝として、今回は灯争大戦のストーリーやカードの紹介を書いてみました。コレを読んで少しでもMTGに興味を持ってくれたら嬉しいです。

(モタモタしてたらプレリどころか発売日から1週間過ぎてしまった……。)(後輩に記事作成急かしておいて自分はサボりまくるクズ。)

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都市次元ラヴニカと邪龍ニコル・ボーラスとの戦いの結末を見よ!

これまでのあらすじ

今回の物語の舞台となっているラヴニカは、多元宇宙に数多ある次元の1つで、全土が都市に覆われた文明の発達した世界です。

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そこでは人間、吸血鬼、エルフ、巨人、ゴブリン、マーフォークなどなど多くの種族が生活しており、その中の一部はギルドと呼ばれる組織に所属しています。

ラヴニカのギルドは司法のアゾリウス評議会に始まり、金融のオルゾフ、諜報のディミーア、発明のイゼット、享楽のラクドス教団、再生のゴルガリ、野生のグルール一族、治安のボロス、自然のセレズニア議事会、医療のシミック連合の全10種類が存在し、互いに利用と衝突を繰り返しながらも危うい均衡を保っています。(各ギルドに関しては以前の紹介記事もドーゾ。)

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過去にはギルド同士の小競り合いが戦争にまで発展しかけ、滅亡の危機に晒されたこともあるラヴニカですが、基本的には大きな争いもなく、人々は比較的平和な日々を過ごしていました。

しかし、そこに不穏な影が近づいてきます。次元を渡る力を持つプレインズウォーカーであり邪悪なる龍、ニコル・ボーラスです。

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ボーラスはいくつかのギルドを裏で操り、全盛期の神の如き力を取り戻すための陰謀を進め始めました。果たしてラヴニカはこのまま蹂躙されてしまうのでしょうか……?

 

灯争大戦勃発

そこに待ったをかけたのがジェイス・ベレレン率いる正義のプレインズウォーカー集団ゲートウォッチとその仲間達。ボーラスに対抗するためにラヴニカ人との協力体制の構築に加え、多元宇宙全体のプレインズウォーカー達に召集をかけ、力を合わせて巨悪に立ち向かいます。

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ボーラス側も侵略の手を一切緩めません。かつて支配していた砂漠の次元アモンケットの人々をゾンビに改造した永遠衆・戦慄衆に加え、アモンケットの神までも操り、次々と都市を破壊。野望の実現に向け進軍していきます。

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力と力の衝突。戦いは激化し、プレインズウォーカーの中にも戦死者が出始めます。「ボーラスを止めることは誰にもできないのか……?」そう思われたとき、契約によって無理矢理従わされていた元ゲートウォッチのリリアナ・ヴェスが永遠神の2柱であるオケチラとバントゥの制御を奪い、ボーラスに対し反旗を翻したのです。コレが決定打となり、ラヴニカは邪悪なる軍勢を撃退することができました。遂に邪龍は打倒されたのです。

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少なくない犠牲を払うことになりましたが、ボーラスはプレインズウォーカーとしての力を奪われ、ラヴニカとは別の次元に永久に幽閉されることとなりました。こうして、ラヴニカには平和が戻ったのです。

スペースの関係上かなりざっくりとした説明になってしまいましたが、当然灯争大戦はカードのフレーバーや小説などを通してもっと濃厚なドラマが展開されています。より深く知りたい人はカード&公式サイトの連載をチェックすべし!

mtg-jp.com

また、WEB連載とは別に灯争大戦の小説(英語)も発売中なのですが、その翻訳版の企画が現在進行中とのこと。日本語をカバーしてくれるかどうかは未定ですが、もしかしたらこの一大決戦についてより深く知ることができるかもしれません。

 

もちろんカードにも注目!

灯争大戦全体の傾向としては、プレインズウォーカーやそれをサポートできるカード、逆にそれらを対策できるカードが多く収録されています。

そしてこのエキスパンションのテーマとなっているプレインズウォーカー、なんと、日本語版にのみ日本人イラストレーターの手によるイラスト違いバージョンも収録されているのです!

では早速見ていきましょう!

プレインズウォーカー色々

その前にプレインズウォーカーについてちょっとだけ説明。

ストーリー上でのプレインズウォーカーは、先程触れた通り、多元宇宙に存在する様々な次元に移動(プレインズウォーク)する力を持つ能力者です。出身次元や種族などはまちまちですが、共通して、魔法的エネルギーであるマナを操り、様々な呪文を行使することができます。その設定をカードに落とし込んだのがプレインズウォーカー・カードです。

カードを媒介してプレイヤーに呼ばれたプレインズウォーカーは、忠誠度と呼ばれる体力値を増減させることで1ターンに1度だけ忠誠度能力を行使し、様々な形で戦いをサポートしてくれます。更に、灯争大戦のプレインズウォーカーには従来のものと違い、起動型能力の一種である忠誠度能力に加えて、誘発型能力や常在型能力も搭載されています。

戦慄衆の将軍、リリアナ

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今回のトップレアと言っても過言ではないのがこのリリアナ。日本版の担当はFFシリーズで有名な天野喜孝先生です。その性能もさることながら、イラストアドと希少性がものすごいために日本版の中古価格はとてつもないことになっています。

まず誘発型能力からして強い。クリーチャーが倒されてしまってもドローによって次々と後続を用意できます。その一方で相手側は大抵除去のためにカードを1枚切っているハズなのでアドバンテージ差は広がるばかり。無法か?壁を生める+1能力や自軍も巻き込んでしまう代わりに除去枚数の多い-4能力との噛み合いもバッチリ。

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相手の場のクリーチャー、エンチャント、アーティファクト、プレインズウォーカー、土地を各1枚にする-9能力を使ったあとはリリアナの勝利でダメ押ししていきましょう。(オーバーキルでは?)

黒き剣のギデオン

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ギデオンはカード化される度に無敵のクリーチャーとして戦闘に参加できる忠誠度能力が与えられていましたが、今回は常在型能力になりました。強制でクリーチャー化してしまうため、従来より除去に弱くはなりましたが、代わりに忠誠度能力起動の権利を他のことにも使えるようになったので、一長一短といったところ。

+1能力は自軍のクリーチャーに、攻撃後にタップしなくなることでブロックにも参加できるようになる警戒、ダメージを与えた分回復するドレイン能力の絆魂、文字通り破壊されなくなる破壊不能の内いずれかを付与するというもの。どれも強力ですがギデオン自身には付与できないため、前のターンにあらかじめクリーチャーを出しておきましょう。

-6能力は戦場にあるカードの内土地以外を何でも異次元に吹っ飛ばせる追放です。遊戯王で言えば除外にあたる能力なので、破壊不能をはじめとする破壊耐性を貫通し、再利用も著しく制限することができます。

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スタンダードではアジャニの群れ仲間アダントの先兵とタッグを組んで暴れそうな予感。比較的軽めのマナ・コストと能力付与が白系ビートダウンと相性が良すぎるんじゃ。なんやねん殴る度に成長するレオニンだの実質1ライフで破壊耐性が得られる吸血鬼だのって。

龍神、ニコル・ボーラス

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ボーラスは神を僭称するだけあって全知全能の如く他のプレインズウォーカーの忠誠度能力を全て使うことができます。コレを悪用すると、無限ボーラスからの無限ドロー、無限除去、無限ハンデス、無限トークンとやりたい放題が可能!

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使うのはボーラス本体に加えてテフェリーの誓い狡猾な漂流者、ジェイスの合計3枚。

まず、+1能力を使ってボーラスの忠誠度を5にします。するとボーラスがジェイスの-5能力を使用可能になるので早速使います。このとき生成されるコピーはジェイスではなくボーラスになります。なぜなら、MTGにおいては、あるカードが自身の能力で自身の名前を指定しているときは基本的にその部分を「このカード」と読み替えて適用するからです。つまり、ジェイスの-5能力を分かりやすく書き直すと、「それらが伝説でないことを除きこのカードのコピーであるトークンを2体生成する。」となるワケです。そういうワケで、この能力を起動したのがボーラスなら、ボーラスのコピーが生成されます。さて、新たに生まれたボーラスの分身もテフェリーの誓いによって忠誠度能力を2回使えるので、先程の手順を繰り返します。すると倍々ゲームでボーラスが増えていき、最終的には無数のボーラス軍団とついでのように丸坊主にされた対戦相手だけが残ります。き、気持ち良い~!+1能力のドローが強制なので、デッキ切れにだけは要注意です。

嵐の伝導者、ラル

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イゼット団所属のプレインズウォーカー、ラルの日本版担当はガンプラのパッケージイラストなどを担当している森下直親先生。ここでは紹介しませんが、森下先生は銀のゴーレムのプレインズウォーカーであるカーンのイラストも担当しており、そのメカメカしさは必見です。
さてこのラル、+2能力がデッキトップ1枚を操作する占術1とちょっと地味に見えますが、本領は誘発型能力と-2能力にあります。結論から言えば、なんと彼は無限バーンコンボのパーツとなるのです。

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発展などのコピー生成呪文を同時に2枚使用すると、お互いにお互いをコピーし合わせることで簡単に無限ループが生成できます。しかし、通常はそれだけです。コピー生成呪文のコピーのコピーのコピーのコピーのコピーを延々作ったところで無意味ですからね。ところが、ラルがいるなら話は違います。ラルは自身の誘発型能力により、呪文のコピーが生成される度に1点のバーンが可能なのです。ただループするだけのコンボが突如としてワンショットキルの爆弾に早変わり!この奇襲性に対戦相手はたまげること間違いなし!

ちなみに、このコンボは発展2枚以外にもラルの-2能力と二倍詠唱と発展の組み合わせでもやることができます。突然出してビックリさせたりましょう。

ビヒモスを招く者、キオーラ

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ドロソ兼マナ加速兼警戒付与をこなすのがこのキオーラ。

MTGは土地をタップすることで得られるマナを利用して戦うゲーム。そして、キオーラでアンタップ(タップ状態の解除)できるパーマネントには土地も入っています。一度マナを出した土地をキオーラでアンタップすることで、もう1回マナを出せるようにするワケです。アンタップ対象は土地以外も選べるので、状況に合わせて色々なカードをガチャガチャできます。レアリティは下から2番目のアンコモンではありますが、かなり悪用しがいのある能力と言えるでしょう。

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そしてキオーラを使うなら是非とも狙いたいのが3ターン目にパワー10のクリーチャーを出すコンボ。MTGの初期ライフは20点なので、上手くいけば文字通り半殺しにできるロマンコンボです。
手順は簡単。1ターン目に樹上の草食獣などのマナ加速カードを使い2ターン目に3マナを確保。そのマナを使ってすかさずキオーラを出し、そのまま無事にターンが返ってくれば、なんと、3ターン目にして5マナの使用が可能になります。あとはその5マナを使って生命素ハイドラを出すだけ!ハイドラは素のサイズこそパワー4ですが、自身の能力によってプレインズウォーカーの忠誠度分だけサイズアップをすることができます。ここまでの流れが理想的にできていれば、キオーラの忠誠度は6のハズなので、4+6でパワー10を達成できちゃうのです。暴力!暴力!暴力!

誘発型能力の1ドローも地味に便利。
覆いを裂く者、ナーセット

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最後に紹介するのは何だか蒼いナーセットちゃん。追加のドローを禁じるため、ハンドアドバンテージが命のコントロール系デッキや一部のコンボを強く戒めることができます。

さて、このドローロック能力。単体でも十分鬱陶しいですが、ある特定の種類のカードと組み合わせることでえげつないコンボが可能になります。ヒントはドロバハンデスです。

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MTGには相手に手札交換を要求するカードがいくつかあります。誘導記憶喪失有事の力などですね。ナーセットがいる状態でこれらの手札交換を使うと、相手は手札を全て手放したのに、ドローによる補填ができなくなってしまうのです。特に有事の力はインスタントという相手ターンにも使えるタイプのカードなので、相手の通常ドロー後に撃ってしまえば全ハンデスも可能!う~ん!友達がいなくなるな!

-2能力もアド源として優秀。範囲が狭めですがコントロール気味にデッキを組めばほぼ問題なく運用できるでしょう。ハンデスコンボのパーツを両方とも持ってこれるのが特にエライ。

プレインズウォーカー以外も強力!

灯争大戦は全体的なカードパワーが高めなので、プレインズウォーカー以外にも強力なカードがたくさんあります。ほんの一部ですが、そういったカードも紹介していきます。

各種増殖カード

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プレインズウォーカーと相性の良いギミックとして収録された増殖は、その名の通りあらゆるカウンターを増殖させることができます。プレインズウォーカーの忠誠度を表す忠誠カウンター以外にもクリーチャーのパワーとタフネスを強化する+1/+1カウンターだって増やすことができるのです。ムキムキに強化したプレインズウォーカーとクリーチャーの軍団で相手を圧殺!

永遠神、ケフネト

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ラヴニカの神1柱とボーラスに操られた悲劇の永遠神4柱の総勢5柱からはケフネトをピックアップ。

毎ターン最初に引いた呪文を2マナ軽く唱えることができます。しかも実際に引いたカード本体は手札に残るため、無効にされてもハンドアドバンテージは失わないという太っ腹さ。ドローする手段さえあれば相手ターンにもこの能力を使えてしまいます。アドバンテージの化け物か?

神の不死性を表した一番最後の能力によって、1度戦場に出せさえすれば実質不死身なのも恐ろしい……!

破滅の終焉

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灯争大戦の決定的な場面を描く終焉シリーズ5枚からは約束の終焉をピックアップ。
マナ・コストやテキストに書かれたXとは任意の0以上の整数のことです。今回の場合は、緑マナ2つに加えて好きなだけマナを払い、追加分以下のコストを持つクリーチャーをリクルートまたは蘇生できてしまうのです。フィニッシャーを呼んで勝負を決めるも良し、能力持ちを呼んで妨害するも良しでかなり便利。

また、緑はマナ加速が得意な色でもあるので、緑マナ2つにX=10以上の合計12マナ以上でぶっ放せるボーナス効果を狙うのも割と現実的。何事もビッグマナで解決するのが一番だ。

戦慄衆の秘儀術師

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最後に紹介するのは呪文使い回しマンこと戦慄衆の秘儀術師

殴る度に墓地の呪文を使い回せるので、簡単にアドが稼げてしまいます。特にクリーチャー強化との相性は最高!殴る前に秘儀術師にあらかじめ強化をかけておくことで、その強化に使った呪文のコスト次第では戦闘中にもう1回強化をかけてしまえるのです。

加えて、部族がウィザードなのも優秀。ウィザードはその名の通り呪文とシナジーを形成するカードが多数あるため、それらを意識してデッキを組むことで、より強力に秘儀術師を運用することができます。

 

フーッ、疲れた。コレ以上は流石にキリがないので今回はここまで。

灯争大戦にはその他にもストーリーを持つカードや強そうなカード、面白そうなカードがたくさんあるので、是非公式サイトのカード一覧をチェックしてみてください!

magic.wizards.com