チャリーッス。最近になってようやくショックランドが揃い始めた「元」広報カエルです。
群雄割拠の様相を呈しているMTGのスタンダードの現環境。先週【黒緑ミッドレンジ】が優勝したと思ったら今週のチャンピオンは【赤白アグロ】になり、ではでは来週は【青赤黒コントロール】か?といった風に様々なデッキが活躍しています。
そんな中で試しにデッキレシピや相場を確認してみたら、「ビビアン・リード」だの「ベナリア史」だの「破滅の龍、ニコル・ボーラス」だのが2500円~3000円で売られていて目を剥いた方も多いと思います。「スタンダード怖いな〜。近寄らんとこ」こんな感想も出て当然です。ですが待ってください!MTGのスタンダード環境に燦然と輝く貧乏人の救世主がここにいます!
それが【青単クロパ】こと【青単クロックパーミッション】なのです!
このデッキのカードの最高額はなんと「大嵐のジン」及び「戦凧の匪賊」の300〜400円!他のカードも精々高くて200円前後(ただし、サイドデッキにもう少し高いカードを採用することはあります)。加えてデッキの約半分はストレージのカードという驚きの安さ!先日行われたプロツアー「ラヴニカのギルド」(3ヶ月に1回開かれる世界大会的なもの)においては【青単クロパ】を使って全10回戦の予選スイスラウンドで全勝したプレイヤーもいるので弱いなんてこともありません!むしろ強い!さあ、前置きはこの辺にしてそろそろ本題の方に行ってみましょう。
(この記事では「俺はテフェリーや殺戮の暴君みたいな雑なパワカを叩きつけたいんじゃあ」という要望には答えられません。すまんな。本当にすまん。)
余談ですが、このタイプのデッキは【青単アグロ】や【青単テンポ】とも呼ばれている(プロツアー「ラヴニカのギルド」スイスラウンド全勝デッキも【青単テンポ】名義)みたいですね。僕はなんかしっくり来ないので【青単クロパ】と呼びますけど。もしかして微妙な構築の違いによって呼び分けてる……?
そもそもクロパってなんだよ
このブログを読んでくれてるカードゲーマーの方には大きなお世話かもしれませんが、まずはクロパ(クロックパーミッション)という言葉が一体何を指すのかという話から。
説明しよう!クロックパーミッションとは、「クロック」を刻みながら「パーミッション」することである!
え〜、冗談は置いておいて、真面目にやります。「クロック/clock」とは、場のダメージ源と相手ライフから予測したゲーム終了までのターン数の目安のことを指します。そこから転じて、1ターン中に与えられるダメージ量やダメージ源そのものもクロックと呼びます。
そして、「パーミッション/permission」とは、何をするにも許可(パーミッション)を取ることを強いる無効化カードを多数搭載したデッキを指します。名前に反して実際は不許可しまくるというのは中々面白いですね。
さて、この2つをまとめたのがクロックパーミッション。少しずつ進む時計の針(クロック)のようにダメージを継続的に与え、相手のあらゆる行動を許可(パーミッション)しない非常にいやらしいデッキなのです。(なんていやらしいデッキなのだ……)
キーカードはコレだ!
では早速デッキレシピの紹介をしたいところですが、まずは【青単クロパ】のキーカードについて説明します。今から紹介するカードはこのデッキの核となるなくてはならない超重要カードなので、出来るだけ引けるように普段から素振りをしていきましょう。
手始めに絶対初手に欲しいカードを2枚。
「霧まといの川守り」は攻撃をブロックされないので、相手の場の状況に関係なく確実に攻撃を通すことができます。このデッキにおける貴重なダメージ源なので、1ターン目にサッと出しておきたいところ。
「執着的探訪」は「オーラ」という装備魔法的なカードです。コレをつけたクリーチャーはパワー(攻撃力)とタフネス(体力)が1ずつ上がり、その上相手に戦闘ダメージを与える度に1枚ドローできるというスーパーつよつよ能力を持っています。
絶対に攻撃を通せる川守りに執着的探訪を付け、毎ターンチクチクダメージを与えつつ継続的なドローを行い、そうして引き込んだ防御札で相手からの致命的な反撃を回避する。コレが【青単クロパ】の基本戦術です。
上の2枚に加えて中盤以降に叩きつけてドヤりたいカードを1枚。
「大嵐のジン」は自分の場にある基本島(青のマナ源である「島」という名前のカードのことと思っておけば大体OK)の数と等しいパワーを持ちます。そして飛行を持っているため、飛行か到達を持っているクリーチャーにしかブロックされません。
大きく育てたジンで一気にダメージを与えてキルターンを縮めるのが【青単クロパ】の中盤以降の戦い方なのです。
また、タフネスが4あるというのも強みと言えます。パワー3や3点のバーンというのは一種の基準となっており、それをギリギリ耐えられるのは頼もしい限りです。と言っても、4点以上のダメージを叩き出すカードもそこそこあるので、過信は禁物ですが。
デッキの出来はいかに
【青単クロックパーミッション】 | |||
商品名 | |||
青単クロックパーミッション | |||
霧まといの川守り | |||
セイレーンの嵐鎮め | |||
執着的探訪 | |||
戦凧の匪賊 | |||
マーフォークのペテン師 | |||
大嵐のジン | |||
潜水 | |||
航路の作成 | |||
本質の散乱 | |||
否認 | |||
一瞬 | |||
魔術師の反駁 | |||
悪意ある妨害 | |||
睡眠 | |||
島 | |||
サイドボード | |||
歩哨のトーテム像 | |||
魔術遠眼鏡 | |||
潜水 | |||
否認 | |||
悪意ある妨害 | |||
航路の作成 | |||
薬術師の眼識 | |||
一瞬 | |||
氷結 | |||
睡眠 |
このリストはガチャログ.comによって作られました。
このリスト登録番号「30939863」をガチャログで編集できます。
サンプルとして、僕が普段使っている【青単クロパ】とほぼ同じレシピを公開します。
クリーチャーと執着的探訪、島の枚数はコレでほぼ固定になるかと思いますが、残りの20枚弱を占める部分に関しては割と個人の好みや環境によって変わります。今はクリーチャー系デッキである【黒緑ミッドレンジ】が多く見られるので、対象耐性付与によってクリーチャーの能力から身を守れる「潜水」やそもそもクリーチャーを場に出させない「本質の散乱」が多めになっていますが、コントロールが増えてくれば「呪文貫き」や「否認」のようなクリーチャー以外のカードを無効化できるものと入れ替えることになります。
サイドボードに関しては、全体除去が使えるコントロールを強く意識して打ち消しやドローソースを多めにしつつ、他のデッキにも対応できるように広く薄くを目指しました。墓地活用カードが多い【黒緑ミッドレンジ】を墓地を全て追放することで対策できる「歩哨のトーテム像」、手札を覗いて判断材料にしつつ指定したカードの起動型能力を封じる「魔術遠眼鏡」、テンポロスを引き起こすことよって殺される前に殺すための「一瞬」「睡眠」、厄介なクリーチャーを無害な壁に変換する「氷結」といった感じです。こちらも環境に対応した臨機応変な入れ替えが必須です。
立ち回りは多分コレで良いと思います
キーカード紹介でも触れましたが、【青単クロパ】の基本的な勝ち筋は、「執着的探訪を付けた川守りでひたすら殴り続ける」「ダメ押しにジンを出して一気にダメージを加速させる」です。では、このプランの実行には何をすべきか。それを書いていきたいと思います。
と言ってもやることはたったの2つ。「アタッカーと執着的探訪の維持」「致命的な脅威の見極め」です。
まずは「アタッカーと執着的探訪の維持」についてです。MTGでは何をするのにもマナが必要です。つまり、「アタッカーを場に出す」「執着的探訪をつける」といった能動的なアクションをとったとき、防御に回すマナがその分減り、相手に付け入る隙を与えてしまうことになります。相手はその隙に必ず除去を試みるでしょう。そこで大人しく除去されてしまっては勝ちが遠退きます。出したアタッカーを守れるように、潜水などの防御札は絶対に構えておいてください。逆に言えば、そういった対策が用意できていない状況では安易な行動は控えましょう。また、手札にアタッカーや執着的探訪をある程度温存しておくことも効果的です。もしも全体除去の直撃を受けてしまった場合でも、手札からまた再展開できればまだ希望がありますからね。
「致命的な脅威の見極め」には、我慢強い心と環境のカードプールの把握が必要です。目障りだからと小粒なクリーチャー達にバウンスや打ち消しを使ってしまっては後々来るであろう本当にヤバイカードに対処できなくなってしまいます。多少のダメージは必要経費と割り切り、除去や大型クリーチャー、プレインズウォーカー*1などにリソースを割きましょう。
相手がどんなに強くて高いカードを採用してても、それを効果的に使わせなければ問題ありません。【青単クロパ】はそんなカードゲームの一側面を体現した素晴らしいデッキだと私は思います。皆さんもこの比較的安価なデッキで高額デッキを粉砕していきましょう。
ではでは今回はこの辺で。オタッシャデー!
追記:「ラヴニカのギルド」期版の記事もできました。
*1:各自分のターンに1度、強力な起動型能力を行使できるカード。戦場に残って毎ターンアドを稼ぐので要対処。