日本大学法学部TCG研究会

日本大学法学部TCG研究会の日常

+1/+1カウンターで殲滅せよ【黒緑鱗蛇】

【鱗親和】の流行を複雑な思いで見つめています広報のカエルです。

 

以前このブログで「硬化した鱗」と「巻きつき蛇」のデッキを紹介したのを覚えている人はいるでしょうか。その【黒緑鱗蛇】が10月5日(金)発売の最新弾「ラヴニカのギルド」で強化されたので、改めて記事にしてみました。

クリーチャーのパワー(攻撃力)とタフネス(体力)を1ずつ上げる「+1/+1カウンター」を主軸としたこのデッキの進化をしかと目に焼き付けよ!

↓以前の記事↓

nucltcg.hatenablog.com

新しいお友達

リニューアルしたデッキの解説の前にニューカマーの紹介から始めたいと思います。

生皮収集家

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生皮収集家は1ターン目を無駄なく消化するための1マナクリーチャーとして非常に優秀です。何せ戦場に維持さえできれば勝手にサイズがどんどん大きくなっていきますからね。あとで詳しく解説していきますが、「巻きつき蛇」とのシナジーは強力の一言。2ターン目にパワー3が殴ってくるとか「秘密を掘り下げる者」か何か?トップ勝負に弱いのはご愛敬。

黒緑鱗蛇では絶対と言っていいほど初手で出したいクリーチャーです。このクリーチャーのお陰で更にテンポ良くダメージを与えていくことができるようになりました。

暗殺者の戦利品

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ハイ、ラヴニカのギルドのトップレアです。コイツ1枚でメインから置物をなんでも見れるようになっちゃったのはマジでヤバイですよ。何がヤバイって除去手段がかなり少ない土地*1まで割れちゃうのがヤバイ。そしてメインの対応力が上がったのでサイドのスペースが余って2戦目以降の安定度も上がるのでヤバヤバのヤバ。弱点としては、破壊不能などで耐えられちゃう点と相手に土地を献上してしまう点が挙げられますが、そんなの関係ないレベルのパワーなので、複数積みは必須と言えます。(財布が薄くなるなあ……。)

黒緑鱗蛇には出したターンに殴れる速攻がいないため、全体除去と置物(特にプレインズウォーカー*2が代表的。)の合わせ技をされるとまず逆転は不可能でした。しかし、戦利品があればスピーディーに置物を除去できるので、相手のリードを抑え込むことができてかなり助かるのです。

 

そして新たなデッキが出来ました(激ウマギャグ)

メインデッキについてあれこれ

メインギミックに関しては以前のバージョン同様「+1/+1カウンターによる永続的なパンプアップとその補助による圧殺」ですが、変更点もいくつかあるのでもう一度紹介し直したいと思います。

勝手に育つ初動クリーチャー

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初動はニューカマーの生皮に加え同じラヴニカ(ただし以前の)出身の「実験体」が務めます。どちらのクリーチャーも後続のサイズに合わせて自身も成長する能力を持っており、その上+1/+1カウンターが多くなるとそれぞれトランプル(ダメージ貫通)と再生(破壊耐性)の追加能力も発生します。普通のデッキでも割と無視できない存在ですが、次に紹介する+1/+1カウンターを増やすカード達で更に爆発力を上げます。
+1/+1カウンターにボーナスを付けるカード

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続いてこのデッキの名前にもなっている鱗と蛇です。どちらもカードに乗せる+1/+1カウンターの数を1つ増やす能力を持っています。このボーナスによってクリーチャー強化を2倍、3倍にパワーアップさせるのです。特に蛇は生皮や実験体からスムーズに出すことができれば、+1/+1カウンターが2つ乗って2ターン目からパワー3のクリーチャーで殴れるので、是非とも初手に欲しいカードです。

+1/+1カウンターを乗せるカード

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クリーチャーをより強く育てるために採用されているカードです。様々な方法、形式で+1/+1カウンターを乗せ、除去耐性と火力を同時にもたらしてくれます。当然これらのカードも鱗と蛇の恩恵を受けられるため、場合によってはすぐに使うのではなく、準備が整うまで温存することもあるでしょう。

その他優秀なクリーチャー達

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雑に便利なクリーチャー色々。と言ってもデッキの特性上+1/+1カウンター絡みという共通点はありますが。「歩行バリスタ」と「搭載歩行機械」は注ぎ込んだマナの分だけでかくなるクリーチャーです。そして、それぞれそのサイズをバーンとトークンに変換できます。鱗や蛇でボーナスをかけた状態での強化効率は異常の一言。雑に投げて相手をげんなりさせましょう。「毅然さの化身」は高パワーの軽量クリーチャーとして生皮や実験体の成長を手伝ってくれます。「漁る軟泥」は墓地を使って悪いことをしてくるデッキをいじめてくれます。地味に回復能力もあるのがポイント。「不屈の追跡者」はこの手のクリーチャー偏重デッキにありがちな息切れをある程度軽減してくれます。しかも、このデッキには土地をリクルートできる土地が搭載されているので、1ターンに2回能力を誘発させることだって可能なのです。

サイドボードについてもあれこれ

正直ブログ記事にしてまでアッピルしたいのはカウンターでウェイウェイするメインのギミックだけなのですが、あれだけ丁寧にやってサイドボードに触れないのもアレなのでつらつら書いていきます。(採用カードをノリでテキトーに決めてるフシがあるのはナイショ。)

墓地活用メタ

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既にメインデッキに軟泥が採用されていますが、流石に1枚だけじゃキツイのでサイドにも墓地活用に対するメタは確保してあります。こちらは軟泥と違って1度に墓地を全部吹き飛ばすので、より大規模に墓地を活用するデッキに対して使います。

コントロールメタ

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コントロールに対するメタは多めに枠を確保してあります。キーカードへの妨害や全体除去でほとんど即死するデッキなので。「うろつく蛇豹」は自分のクリーチャーにカウンター(打ち消し・無効にする方)への耐性を付けてくれます。除去耐性がないのが玉に瑕ですが、まあキーカードの代わりに狙ってくれるなら万々歳です。避雷針とでも思っておきましょう。「巨森の蔦」と「英雄的介入」は除去対策です。黒緑鱗蛇はクリーチャーのサイズが大きくなりやすいデッキですが、それはあくまである程度場に維持できてることが前提です。まっさらな状態からのトップ勝負ではまずどうしようもないので、しっかり守っていきましょう。最後の「思考囲い」と「大災厄」はハンデスですね。ピーピングできるので、致命的な札を消しつつ、今後の方針を立てるのにかなり便利です。ついでにコンボデッキの対策ができるのもGood。
ウィニーメタ

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黒緑鱗蛇は比較的横に並ぶデッキではありますが、本職のウィニーには流石に勝てません。(なんであいつら3、4ターンで5体以上並べてくんの……。)そんなときは全体除去の出番です。ただし、普通の全体除去だとこっちも壊滅レベルの被害を受けます。そこで登場するのが「黄金の死」のようなタフネス低下系全体除去です。タフネス即ち体力が0になれば当然クリーチャーは死にます。しかし、0にならなければいいのです。こちらは+1/+1カウンターでの強化が前提ですが、-2程度なら耐えられます。しかし、ウィニーが使うクリーチャーのタフネスは大抵2以下なので、基本的に耐えることができないのです。収集つかなくなる前に綺麗に掃除できれば、再展開を許さず圧殺できることでしょう。

 

え?バリスタや戦利品、対抗色フェッチランド*3が足りない?いやいや、確かにバリスタは除去として使える点で搭載歩行機械と差が付いてるけど、その代わりに搭載歩行機械は1マナで大きくなれるし、万一1マナしか払えないときや破壊不能のことを考慮すると四肢切断も捨て難いんですよ。対抗色フェッチランドだって2色デッキなら無理に買わなくてもいいし。ホントホント。お金がないワケじゃないんだからねっ!(え~、クッソ高いので妥協しました。多分バリスタ4枚で搭載歩行機械なし、戦利品2枚で四肢切断1枚、対抗色でないにしろフェッチランドは4枚以上にした方が無難だと思います……。)

 

終焉のカウントダウン

このデッキ、4ターン目にキルを取れるルートが複数存在します。どのルートも3ターン目の終了時点で盤面の総パワーを20(MTGの初期ライフは20)以上にし、4ターン目に総攻撃を通して勝つという内容になっています。全体除去のコスト相場が4、つまり基本的には最速でも使うまでに4ターンかかるということを考えれば、先攻前提とはいえ本当に勝ててしまう可能性は少なくありません。

文字だけで簡素ですが、そういったルートの中からいくつかピックアップです。ちなみにカッコ内の分数のようなものは各クリーチャーのパワー(攻撃力)/タフネス(体力)を表します。

鱗ルート

2ターン目終了時点:硬化した鱗&生皮or実験体&生皮or実験体

 生皮or実験体(1/1)、生皮or実験体(1/1)

3ターン目:リシュカー&毅然さ

 ①リシュカー着地時

  生皮or実験体(3/3)、生皮or実験体(5/5)、リシュカー(4/4)

 ②毅然さ着地時

  生皮or実験体(5/5)、生皮or実験体(7/7)、リシュカー(4/4)、毅然さ(7/6)→総パワー23

蛇ルート

1ターン目:生皮or実験体

 生皮or実験体(1/1)

2ターン目:蛇

 生皮or実験体(3/3)、蛇(2/3)

3ターン目:リシュカー&毅然さ

 ①リシュカー着地時

  生皮or実験体(3/3)、蛇(4/5)、リシュカー(4/4)

 ②毅然さ着地時

  生皮or実験体(5/5)、蛇(4/5)、リシュカー(4/4)、毅然さ(7/6)→総パワー20

鱗・蛇両方なしルート

2ターン目までに:生皮or実験体計3体

 生皮or実験体(1/1)、生皮or実験体(1/1)、生皮or実験体(1/1)

3ターン目:リシュカー&毅然さ

 ①リシュカー着地時

  生皮or実験体(2/2)、生皮or実験体(2/2)、生皮or実験体(3/3)、リシュカー(3/3)

 ②毅然さ着地時

  生皮or実験体(3/3)、生皮or実験体(3/3)、生皮or実験体(4/4)、リシュカー(3/3)、毅然さ(7/6)→総パワー20

 

以上を見ての通り、鱗や蛇はなくても割とナントカなりますが、1ターン目の生皮もしくは実験体、そして3ターン目以降のリシュカー及び毅然さはテンポよくパワーを上げて攻めていくのに不可欠です。これらをしっかり引き込めるように日頃から素振りをしておきましょう。

 

+1/+1カウンターは不滅

進化した【黒緑鱗蛇】のスピード、素晴らしいですね。一段と上がった安定性と殺意に皆さんも+1/+1カウンターの魅力がわかってきたのではないでしょうか。

+1/+1カウンターを使ったギミックは紹介しきれないほどたくさんあるので、皆さんも色々な方法ででっかいクリーチャーを叩きつけて気持ち良くなりましょう。

さ~て、待ってろよモダン環境~!どんなデッキもパワーで叩き潰してやるぜ~!

 

次回のMTG記事は多分統率者戦(EDH)についてです。

*1:一部の土地はマナを出すだけでなく特殊な能力を持っていることがあるため、対策できないと厳しい。

*2:置物系カードの一種。それぞれ体力が設定されており、戦闘やバーンでそれを0にすると除去できる。

*3:デッキから土地をリクルートできる土地の中で範囲が対抗色のもの。今回は沼(黒のマナ源)と森(緑のマナ源)を持ってこれる「新緑の地下墓地」のこと。