どうも、広報のカエルです。
エッ、MTGのルール解説記事?申し訳ないが急かすのはNG。
(
まずは告知です。
4/4(水)に新入生歓迎会があります!本館133講堂に日大法学部TCG研究会のブースがあるので、ぜひ足を運んでみてください。
みんなでカードゲーム、しよう!
では本題に移ります。
先日チャレンジャーデッキの紹介
とにかく4/6(金)発売のチャレンジャーデッキを買え! - 日本大学法学部TCG研究会
をさせていただきましたが、
- スタン落ちが遠いエキスパンションを使おう!
- 生足魅惑のマーフォーク
- 数の暴力!質の暴力!
- ワシのデッキを見よ!
- このようにして殴り勝つのだ
- 注目選手
- こんな選択肢も
- 泣き所
- モダン化改修にも対応!
- 次回予告
スタン落ちが遠いエキスパンションを使おう!
ではどうすればいいか。答えは簡単です。
さて、先程挙げたスタン落ちが遠い4つのエキスパンションの内、イクサランとイクサランの相克は既に発売されています。*2これら2つは海賊
生足魅惑のマーフォーク
そもそもマーフォークとは何なのでしょうか?
数の暴力!質の暴力!
そんな自然の化身達を中心とした青緑マーフォークとはどのようなデッキなのでしょうか。
簡潔に書くと
並べて、育てて、殴る!
デッキです。
もう少し具体的に書くと、
暴力!暴力!暴力!
していく戦略のデッキなのです。おおまかなデッキ分類であるビートダウン、コンボ、コントロールの3つのうち、ビートダウンに当てはまることになりますね。
ワシのデッキを見よ!
続いて実際の青緑マーフォークデッキを見ていきましょう。
メイン | マナ | 枚数 |
クメーナの語り部 | (緑) | 3 |
霧まといの川守り | (青) | 4 |
マーフォークの霧縛り | (緑)(青) | 4 |
マーフォークの枝渡り | (1)(緑) | 2 |
深根の精鋭 | (1)(緑) | 4 |
銀エラの達人 | (1)(青) | 4 |
オラーズカの暴君、クメーナ | (1)(緑)(青) | 2 |
俊敏な番人 | (1)(緑)(緑) | 2 |
ジャングル生まれの開拓者 | (2)(緑) | 3 |
翡翠光のレインジャー | (1)(緑)(緑) | 3 |
送還 | (青) | 3 |
オラーズカからの排斥 | (1)(青) | 2 |
ハダーナの登臨 | (1)(緑)(青) | 2 |
島 | 8 | |
森 | 2 | |
植物の聖域 | 4 | |
ハシェプのオアシス | 4 | |
手付かずの領土 | 4 | |
サイド | マナ | 枚数 |
大嵐呼び | (2)(青)(青) | 2 |
否認 | (1)(青) | 4 |
提督の命令 | (1)(青)(青) | 3 |
沈黙の墓石 | (1) | 2 |
歩哨のトーテム像 | (1) | 2 |
自然に仕える者、ニッサ | (X)(緑)(青) | 2 |
合計(メイン) | 60 | |
合計(サイド) | 15 |
これは私が実際にスタンダードで使用している青緑マーフォークデッキのレシピです。
頻繁にマイナーチェンジしてるからレシピ安定しないけど……。
青と緑の両方のマナを生み出して序盤の色事故を防ぐ「植物の聖域」や相手の妨害を防ぐための「否認」など、カラデシュやアモンケットのカードもいくつか見られますが、イクサラン及びイクサランの相克のカードが大部分を占めているため、スタン落ちも怖くありません。
基本戦術は当然
並べて、育てて、殴る!
なのですが、流石にざっくりしすぎなので、具体的なカード名を挙げてもう少し詳しく説明していきます。
このようにして殴り勝つのだ
赤単ほどではないにしろ速攻型であるマーフォークはできれば1ターン目から動くのがベストです。つまり、初手は1マナで出せる語り部か川守りとなります。
彼らを1ターン目から場に出せない場合はマリガンも視野に入れましょう。
召喚酔いが解ける2ターン目は早速殴りに行きます。ここで注意してほしいのがカードのプレイ順です。MTGにはクリーチャーやソーサリーなどをプレイできるメイン・フェイズが戦闘フェイズの前後に1回ずつ、計2回存在します。遊戯王と同じですね。通常は相手にコンバットトリックなどを警戒させるために戦闘前メイン・フェイズではマナやカードを温存し、戦闘を行ってから追加のクリーチャーを出したりするのが定石とされています。しかし、マーフォークの場合は必ずしもそうとは限りません。
青緑1マナずつの計2マナで出せる霧縛りは、自身以外の自軍マーフォークを強化する「ロード」*4能力を持っています。戦闘に入る前にコレを出しておけば、例えば1ターン目に出したのが語り部の場合、相乗効果で語り部のP/T(パワー/タフネス)を3/3にすることができるのです。このコンボを決めることができれば、序盤から相手にかなりのプレッシャーを与えることができます。
3ターン目以降は、霧縛りや深根の精鋭といった自軍を強化できるマーフォークやクメーナやレインジャーといった単体性能の高いマーフォークを展開していき、更に盤面を盤石にしていきます。
3ターン目までの動きをスムーズに進められた場合、勝利は目前と言っても過言ではありません。マーフォークデッキのカードはそのほとんどが3マナ以下でプレイできるため、3ターン目まで順調にマナを伸ばしていれば当然ほとんどのカードがプレイできますし、また、続く4ターン目に4つ目の土地を出して4マナを確保できれば、展開しつつ相手の動きに対応できるからです。
しかし、まだまだ油断は禁物です。強力な除去を撃てるようになる3マナ以降は相手の妨害も激化してきます。特に最後の算段、双陽、残骸の漂着、燻蒸などに代表される全体除去は天敵です。
これらの存在を警戒し、手札のマーフォーク全てを使い切らずに温存しておくべき場面も当然出てきます。
一方で、温存などという消極的な手段ではなく、積極的に展開しながらも除去を回避する手段もあります。それが送還やオラーズカからの排斥です。
これらのバウンスカードは、通常、攻撃・ブロックの回避やテンポロスを目的として相手のカードに対して使用されます。ところが、テキストをよく見ると、対象を相手のカードに限定してはいません。つまり、自分のカードに撃っても構わないのです。よって、相手の除去に対応して使用すれば、自分の大事なマーフォークを救助することができるのです。と言っても、その為にバウンスカードとマナを費やし、その上自分のカードを手札に戻してしまうので、「破壊されるよりは多少マシ」程度の効果ですが。
こういった除去を巡る中盤以降の駆け引きを制することができれば、戦場には屈強なマーフォーク軍団が完成しているはずです。そうなればあと一押し。マーフォーク軍団で一斉突撃を仕掛け数と質の暴力で叩き潰すも良し、育てに育てた川守りなどのブロックされないマーフォークでチクチク確実にライフを削るも良しです。
注目選手
勝ち筋に直接関わるようなカードは先程のデッキの動きの解説でおおよそ紹介しましたが、その他にもマーフォークやそれをサポートする仲間は大勢います。
銀エラの達人
ビートダウン、それもアグロはどうしても息切れを起こしがちです。しかしドローが得意な青の力を持つマーフォークなら、それをある程度緩和することができます。
銀エラは追加コストとしてマーフォークの公開が必要なものの、2マナ域の標準的なP/Tにドローのおまけが付いてくる強力なクリーチャーです。公開するマーフォークを持っていない場合は追加で3マナを支払わなければなりませんが、マーフォーク主体のデッキでそんなことが起こるのは滅多にないでしょう。
ジャングル生まれの開拓者
マーフォーク数体のタップ*5によりドローをしたりマーフォークを強化したりするクメーナの能力は強力ですが、どんな能力でも起動できなければ意味がありません。そこをバックアップするのが開拓者です。
開拓者自身も生成されるトークンもP/Tは貧弱ですが、1枚のカードが2枚分に増えるのは他のマーフォークにはない強みです。また、トークンに付与されている呪禁も地味に役立ちます。呪禁持ちは相手の呪文や能力の対象にならないので、除去の心配をあまりしなくてよくなるのです。
提督の命令
恐ろしい恐ろしい全体除去に対する心強い味方となるのがこの提督の命令です。
相手の呪文を打ち消す(無効化する)ことで、マーフォーク軍団の破局を防ぎます。特筆すべきは自分がターン中にクリーチャーで攻撃していたなら青マナ1つで唱えられてしまう点です。スタンダードよりもカードプールの広いモダンで猛威を振るう「マナ漏出」やモダンよりも更にカードプールの広いヴィンテージとレガシーで使われる「対抗呪文」が2マナであることを考えれば、その破格さがわかるでしょう。このコスト軽減条件は攻撃に対応する形でしか唱えられない残骸の漂着を特にメタります。その上、イメージには反するかもしれませんが、MTGではクリーチャーも唱えられた瞬間は呪文として扱われるため、その一瞬の隙に差し込むことさえできれば、致命的なフィニッシャーを処理することだってできるのです。
ハダーナの登臨/オラーズカの翼神殿
このカードは第1面(表面)にハダーナの登臨、第2面(裏面)にオラーズカの翼神殿が印刷された両面カードです。プレイするときはまず最初に第1面を表にして場に出し、条件を達成したら第2面に反転します。デッキに入れるときは必ず裏面が透けないスリーブか専用のプロキシを使いましょう。
第1面の登臨は、戦闘フェイズの最初に行われる戦闘開始ステップに自分のクリーチャーに+1/+1カウンターを乗せられる能力を持ちます。このカウンターは、1つにつき乗っているクリーチャーのP/Tを1ずつ上昇させることができます。つまり、2つならP/Tを2ずつ、5つならP/Tを5ずつ上昇させられるのです。これさえあれば、攻撃も防御も貧弱なマーフォーク達を毎ターン少しずつ育てていけるのです。そして、条件を達成すると、変身し、第2面である翼神殿が表になります。条件達成には+1/+1カウンターがあらかじめ2つ以上乗っている必要がありますが、これは深根の精鋭やクメーナの能力でも乗せられるので、大人しく3ターンも待つ必要はないでしょう。
第2面の翼神殿はマナを生み出せる土地カードです。好きな色を出せるので、事故のリスクは格段に減る*6でしょう。しかし、このカードのメイン能力は2行目に書かれた起動型能力なのです。パワーが2倍になり、更に「飛行」能力によって、「飛行」や「到達」以外にはブロックされずに安心して相手プレイヤーに高火力が叩き込めるようになります。元のパワーが高ければ高いほどパンプアップも強力になるので、様々なカードで更にバックアップすればパワー20のワンショットキルも夢じゃないかも?
こんな選択肢も
今回のデッキレシピには採用していないものの、マーフォークと相性のいいカードはたくさんあります。今回はその中でもマーフォークを守ることにスポットを当てて、2枚のカードを紹介したいと思います。
波を司る者、コパラ
マーフォークは素のタフネスがかなり低いため、育ち切る前に軽量の除去ですぐ死んでしまいがちです。コパラはそんな打たれ弱いマーフォークを除去から遠ざけてくれます。
彼が戦場にいる間は、マーフォークを狙う呪文や能力には余分なコストが必要になるため、除去の連発を回避したり、そもそも除去を撃たせなくしたりすることが可能です。と言っても、コストの上乗せはマーフォークを対象に取る場合にしか適用されないので、全体除去には無力ですが。
顕在的防御
軽いコストで除去対策ができ、また、コンバットトリックに使うこともできるのがこのカードです。
MTGでは、既に呪文や能力の対象になってしまっている場合でも、その解決が行われる前に呪禁を与えることができれば、カードを守ることができます。つまり、顕在的防御を使える状況なら、相手の単体除去を恐れる必要がなくなるのです。また、P/Tの強化も魅力的です。呪禁だけでは全体除去に対して無力ですが、全体除去は全体除去でもタフネスのマイナス修整やダメージによるものなら、タフネスの強化によって耐えられますし、パワーの強化は最後のダメ押しや敵クリーチャーの戦闘破壊に役立ちます。
泣き所
軽量クリーチャーとそれらの強化による質と量のスピード戦略で戦うマーフォークですが、弱点は少なくありません。勝てるときは容赦なく相手をコテンパンにできますが、苦手な相手と当たると目も当てられないことになってしまいます。
除去に弱い!
まず第一に、マーフォークは非常にか弱い存在です。いくら最終的にゴリラじみたP/Tになると言っても、基本のP/Tは1/1や2/2程度。育つ前にしぶきや一押しなどの軽量呪文で除去することはベイビー・サブミッションです。
また、何度も言及していますが、全体除去には特に弱いです。壊滅した戦線を立て直すためのドローソースがないわけではないのですが、マーフォークに依存しているため、息切れしたタイミングに合わせて掃除されてしまえば一巻の終わりです。
除去も弱い!
これはマーフォークというより青緑デッキ全体に言える弱点なのですが、除去手段が非常に貧弱です。なんと、この2色には単純な「クリーチャーを破壊する」能力を持つカードがほとんどないのです。青は打ち消しというある意味最強の除去手段を持っているものの、一度戦場に出てしまった場合はバウンスくらいしかどかす手段がなく、そのバウンスも、戦場に出たときに誘発する能力を持つカードが多い今の環境ではむしろ逆効果です。緑はお互いのクリーチャーを強制的に戦わせる「格闘」能力によって場のクリーチャーを除去できますが、使い勝手がよくありません。
こういった事情により、もしも相手の場にスカラベの神や栄光をもたらすもの、奔流の機械巨人のような強力なクリーチャーが出てしまった場合、その脅威を完全に取り除くことはほぼ不可能です。
折角優勢だった勝負が相手のデカブツ1体にひっくり返されてしまうことも多々あります。
モダン化改修にも対応!
格闘技に様々な階級があるように、MTGにも様々なフォーマットが存在します。基本はこの記事でも扱っているスタンダードなのですが、より広いカードプールを用いるものも存在します。それがモダンなのです。
モダンとは、簡潔に表すなら2003年7/28以降に発売したほとんどのカードを使用でき、なおかつエキスパンション単位でカードが使用不能になるローテーション制度が存在しないフォーマットです。およそ15年もの時間がもたらすパワーカードや強力コンボの洪水は圧巻の一言。最長でも2年分のカードしか使えないスタンダードとは文字通り桁違いです。しかし、マーフォーク達にはこの嵐の大海を生き抜く力があります。
モダンにおけるマーフォークは多数の妨
むしろ、モダンこそがマーフォークの主戦場と言っても過言ではあり
次回予告
この記事では、1つのデッキでより長くスタンダードで遊ぶ為にチャレンジャーデッキではないデッキを使うというアプローチを提示しました。しかし、それでは折角買ったチャレンジャーデッキが使えなくなってしまうという事態は回避できません。そこで浮かび上がってくる選択肢の1つが、今回も触れたモダン化です。スタンダードで戦えなくなるのなら、スタンダード以外で戦えばいいのです。次回の記事はチャレンジャーデッキの内の1つ、私も使っている怒涛カウンター(黒緑巻きつき蛇)に焦点を当て、そのモダン化について紹介していきます。
4/3(火)追記:記事が完成しました!ぜひこちらも読んでみてください!
*1:基本的にはエキスパンション即ちパックと捉えて問題ないが、マスターズシリーズのような再録パックなど、エキスパンションには含まれないパックもある。
*2:ちなみに、ドミナリアは4/27(金)、CORE2019は先程書いた通り7/13(金)に発売予定
*3:
*4:特定の部族を強化することができる能力の俗称。霧縛りのような常在型能力が基本だが、後に挙げる深根の精鋭のような誘発型能力で部族を強化するカードなどもロードと呼ばれることがある。
*5:カードを横倒し(遊戯王で言う守備表示)にし、以降の攻撃やブロックへの参加ができなくなる状態。当然タップ状態のカードを再びタップすることはできない。様々な能力のコストに設定されており、また、攻撃を行う際も必要とされている。自分のターンの初めなどに行うアンタップで元に戻る。
*6:MTGの呪文のほとんどは土地などから出せるマナを決められた数だけ支払わなければならず、また、基本的に数以外にも色の制限がかけられている。このマナと色のシステムによって、安易なパワーカードの濫用が抑えられている。