挨拶の前に本題を書かせていただきます。
とにかく4/6(金)発売のチャレンジャーデッキを買え!
そしてもう一点。この記事は2018年版のチャレンジャーデッキのものです。2019年版は下のリンクをドーゾ。
とにかく4/12(金)発売の2019年度版チャレンジャーデッキを買え! - 日本大学法学部TCG研究会
こんにちは。広報担当のカエルです。
今回はマジック:ザ・ギャザリング(以下MTG)を販売しているWizards of the Coast社(以下WotC)が天地がひっくり返るレベル(個人の感想です)の大盤振る舞いをしたので、この機をモノにすべく大急ぎで記事を書いています。
「そもそもMTGってどういうゲームなの?」や「金かかるって聞いたんだけど」といった疑問を持つ方も多いと思いますが、この衝撃お得情報をまずは知っていただき、そしてとにかく4/6(金)発売のチャレンジャーデッキを買ってMTGを初めてほしいので、後回しにします。ゲームの概要についての紹介記事はそのうち書くでしょう。きっと。いつか。
さて、
とにかく4/6(金)発売のチャレンジャーデッキを買え!
『チャレンジャーデッキ』の各デッキリスト|マジック:ザ・ギャザリング
そもそもチャレンジャーデッキってなんだよ
説明しよう!チャレンジャーデッキとは、WotCがMTG初心者のために開発した定価税込3780円で4/6(金)発売予定の構築済みデッキのことである!
メインデッキ60枚、サイドボード(サイドデッキ)15枚、デッキボックス(スリーブに入れた75枚のカードが入る)、スピンダウン・ライフカウンター(20面ダイス)、簡易ルール表が1つにまとめられているぞ!
まさに初心者にうってつけ!コレが2つあれば友達とマッチで勝負ができてしまう!
しかし、スゴイのはココじゃありません。この程度ならまあちょっと親切な程度です。
チャレンジャーデッキがスゴイのは、スタンダード*1の環境級デッキをストラクにしてしまったことなのです。特にハゾレトアグロと機体ラッシュは同タイプのデッキが各地の大会の上位を占領していたことさえありました。
つまり、このデッキを買って足りないパーツをちょっと買い足せば、各店舗で毎週やってる小規模大会に出て勝つことだって夢じゃないのです!チャレンジャーデッキ!すごい!本当にすごいんだ!
チャレンジャーデッキそのもののすごさはある程度説明したので、次は各デッキのすごさを説明していきましょう。
ハゾレトアグロ
メイン | マナ | 枚数 |
損魂魔道士 | (赤) | 3 |
ボーマットの急使 | (1) | 4 |
狂信的扇動者 | (赤) | 4 |
航空船を強襲する者、カーリ・ゼヴ | (1)(赤) | 3 |
過酷な指導者 | (1)(赤) | 3 |
アン一門の壊し屋 | (2)(赤) | 4 |
熱烈の神ハゾレト | (3)(赤) | 1 |
栄光をもたらすもの | (3)(赤)(赤) | 1 |
ショック | (赤) | 4 |
マグマのしぶき | (赤) | 2 |
削剥 | (1)(赤) | 2 |
稲妻の一撃 | (1)(赤) | 4 |
反逆の先導者、チャンドラ | (2)(赤)(赤) | 1 |
山 | 20 | |
陽焼けした砂漠 | 4 | |
サイド | マナ | 枚数 |
ピア・ナラー | (2)(赤) | 2 |
チャンドラの敗北 | (赤) | 4 |
マグマのしぶき | (赤) | 2 |
カーリ・ゼヴの巧技 | (1)(赤)(赤) | 2 |
歩哨のトーテム像 | (1) | 3 |
街の鍵 | (2) | 2 |
合計(メイン) | 60 | |
合計(サイド) | 15 |
実際の環境では赤単アグロや単に赤単と呼ばれているデッキです。
動きは単純明快。1ターン目からクリーチャーを出して速攻(戦場に出てすぐ殴れる能力)*2によりすぐさま攻撃してダメージ。それを毎ターン繰り返して勝負を決める超速攻デッキです。速攻持ちはもちろん、直接相手のクリーチャーやプレイヤー自身にダメージを与えるカードも多く搭載されており、ダメージレースがより有利になるように設計されています。また、単色デッキのため、土地事故が起こりにくいのも強みです。
しかし、短期戦に特化しているため、中長期戦はあまり得意ではないのが弱点となっています。全体除去の直撃を食らえば目も当てられないことになるでしょう。
注目カード1:熱烈の神ハゾレト
デッキ名にもなっている主力カード。手札が2枚以上になるとほぼ地蔵と化しますが、アグロデッキは手札の消費が荒いため、毎ターンカードを使うだけで条件をクリアできちゃったりします。
「伝説の」カード特有のルール(レジェンド・ルール)により自分の場にはハゾレトを1体しか出せません*3が、破壊不能*4と速攻という強力な能力に加え、比較的軽い4マナ、初期ライフが20のMTGにおいては丁度4回攻撃を通せば勝てるパワー5と恵まれたスペックを持つため、基本的に4積みされます。
チャレンジャーデッキには1枚しかありませんが。
注目カード2:ボーマットの急使
1ターン目から着実にダメージを与えていくための第一歩であり、いざという時の保険にもなる便利なカード。
能力の起動コストに手札全て*5を要求されますが、実はこの能力、手札0枚でも起動できるので悪用しやすいです。除去に対応して起動し、貯めこんだカードを回収して息切れを防ぎましょう。
紛らわしいですが、複数の急使で追放したカードを一度に全て回収することはできないので注意です。急使Aで追放したカードは急使Aでしか回収できませんし、急使Bで追放したカードは急使Bでしか回収できません。
注目カード3:反逆の先導者、チャンドラ
正直ハゾレト以上の目玉となるのがこのカードです。「神チャンドラ」と呼ばれるほどの強力さ。
プレインズウォーカーとはいわゆる置物カードの1つで、唱えるとクリーチャーなどのように戦場に残り、自分の各ターンに1度、忠誠度をコストにより増減させることで、様々な忠誠度能力を発揮します。通常プレインズウォーカーの持つ忠誠度能力は3つまでですが、このチャンドラには4つ用意されており、どれも強力です。神と呼ばれる所以です。対戦相手へのバーン、一時的なマナ加速、除去を場面により使い分け、忠誠度が7以上になったら奥義(一番コストの重い忠誠度能力)を起動!そこまで行けば勝ちも同然です。まあ、神チャンドラの初期忠誠度はカード右下にあるように4、毎ターン増やせる忠誠度は最大1なので、忠誠度を7消費する奥義の起動にはデュエル開始から数えて最速で7ターン必要ですし、それだけあったら普通にビートして勝っていると思いますけど。
ちなみに、この画像はテキスト改訂前のため「伝説の」が書いてありませんが、この神チャンドラにもハゾレトと同様にレジェンド・ルールが適用されます。
ちょい足し候補:地揺すりのケンラ
ハゾレトアグロには2マナの速攻持ちが存在しないため、この地揺すりのケンラの追加がオススメです。
単純に2マナ速攻という点も優秀ですが、戦場に出たときの誘発型能力と永遠も魅力的です。ケンラはタフネスが1しかないので、ブロックされればまず生き残れません。しかし、誘発型能力によって戦闘破壊をある程度回避できます。そして、もし破壊されても、永遠によって1度だけパワー4、タフネス4の強力なゾンビとして復活できるのです。その上、ゾンビとして蘇ったケンラはもう一度誘発型能力が使えます。パワー4に強化されたので、能力の対象もパワー4以下に拡大!4点パンチを食らえ!
機体ラッシュ
メイン | マナ | 枚数 |
ボーマットの急使 | (1) | 4 |
模範的な造り手 | (白) | 4 |
経験豊富な操縦者 | (赤)(白) | 4 |
屑鉄場のたかり屋 | (2) | 4 |
模範操縦士、デパラ | (1)(赤)(白) | 3 |
ピア・ナラー | (2)(赤) | 2 |
稲妻の一撃 | (1)(赤) | 4 |
無許可の分解 | (1)(黒)(赤) | 4 |
キランの真意号 | (2) | 4 |
霊気圏の収集艇 | (3) | 1 |
耕作者の荷馬車 | (3) | 1 |
領事の旗艦、スカイソブリン | (5) | 1 |
平地 | 5 | |
沼 | 1 | |
山 | 3 | |
感動的な眺望所 | 1 | |
竜髑髏の山頂 | 1 | |
秘密の中庭 | 1 | |
産業の塔 | 4 | |
霊気拠点 | 3 | |
手付かずの領土 | 3 | |
進化する未開地 | 2 | |
サイド | マナ | 枚数 |
過酷な指導者 | (1)(赤) | 3 |
チャンドラの敗北 | (赤) | 2 |
マグマのしぶき | (赤) | 2 |
強迫 | (黒) | 4 |
排斥 | (3)(白) | 1 |
没収の曲杖 | (2) | 2 |
霊気圏の収集艇 | (3) | 1 |
合計(メイン) | 60 | |
合計(サイド) | 15 |
実際の環境ではマルドゥ機体や赤白黒機体と呼ばれているデッキです。
普段はただのアーティファクト(道具・機械)として戦場に出ても沈黙している一方、「搭乗」*6によってクリーチャー化するとたちまち高いスペックで相手を轢き殺す「機体」カードをメインに据えており、高速から中速のビートダウンで勝利を掻っ攫います。1ターン目に「模範的な造り手」、2ターン目に「キランの真意号」を出し、自身の能力でパワー3になった造り手で攻撃。3ターン目以降は搭乗によってパワー4のクリーチャーと化したキランでダメージを稼ぐのが理想的な動きになります。除去も多く採用されており、戦闘で突破できないクリーチャーにも対処できます。
しかし、3色デッキのため土地事故が起こりやすく、また、環境にはこのデッキの主軸である機体を対策するカードが多く存在するのが弱点です。
注目カード1:キランの真意号
機体オブ機体の呼び声が高いこのデッキのエースカード。
自身は2マナ、搭乗は3と3ターン目以降から大暴れできる軽さに加え、飛行(「飛行」「到達」以外にブロックされない)、警戒(攻撃時タップ不要)*7、パワーとタフネスが4とハイスペック。
機体ラッシュそのままではプレインズウォーカーがないので使えませんが、忠誠度1つをコストに搭乗することも可能な点は見逃せません。「伝説の」カードにも関わらず4積みされているのも納得です。
注目カード2:模範的な造り手
このカードも主力と言っても過言ではありません。
そのままでは1マナの代わりにパワーもタフネスも1の貧弱一般人ですが、自分の場にアーティファクトが1枚でもあれば、自分の戦闘開始ステップからターン終了時までの間とはいえパワー3、タフネス2の黄金の鉄の塊でできた工匠に進化するし、3枚以上あるなら先制攻撃*8によって更に手が付けられない強さになります。また、デッキ紹介で挙げたようにコレ1枚でキランに搭乗できるのもかなり便利です。
注目カード3:屑鉄場のたかり屋
2マナでパワー3という前のめりなスペックによりガンガン攻めて行くことができます。
コストさえあれば何度でも墓地から蘇る点も優秀です。除去にも戦闘にも強いと言えるでしょう。また、ブロックできない制限が付いていますが、このデメリットは搭乗3以下の機体に乗せ、その機体でブロックすることで実質無視することができます。造り手と並ぶキランの名パイロットです。
ちょい足し候補:試練に臨むギデオン
先ほど挙げたキランの能力をフル活用するにはプレインズウォーカーが不可欠です。赤、白、黒に属するプレインズウォーカーには色々いますが、雑に強すぎる神チャンドラをあえて除くと、このカードがオススメです。
3ターン目に出せるので、2ターン目に出したキランをスムーズに戦闘に参加させられます。+1の忠誠度能力もなかなか便利で、戦場にあるカードのうちどれか1つを対象とし、それを発生源とするダメージは能力由来だろうと戦闘由来だろうと完全に無効化できます。相手のダメージソースが1つだけのときは特に有効です。また、ギデオン・プレインズウォーカー共通能力であるクリーチャー化も強力です。忠誠度は増やせませんが、4ターン目からほぼ無敵のクリーチャーが毎ターン攻撃してくるのは凄まじいプレッシャーとなるでしょう。
副陽コントロール
メイン | マナ | 枚数 |
周到の神ケフネト | (2)(青) | 1 |
選択 | (青) | 4 |
検閲 | (1)(青) | 4 |
農場 | (2)(白) | 1 |
至高の意志 | (2)(青) | 4 |
新たな信仰 | (2)(白) | 1 |
天才の片鱗 | (3)(青) | 4 |
残骸の漂着 | (2)(白)(白) | 1 |
霊気溶融 | (1)(青) | 4 |
排斥 | (3)(白) | 4 |
燻蒸 | (3)(白)(白) | 3 |
副陽の接近 | (6)(白) | 3 |
平地 | 8 | |
島 | 10 | |
廃墟の地 | 2 | |
イプヌの細流 | 2 | |
灌漑農地 | 4 | |
サイド | マナ | 枚数 |
周到の神ケフネト | (2)(青) | 1 |
威厳あるカラカル | (3)(白)(白) | 4 |
象形の守り手 | (3)(青)(青) | 2 |
呪文貫き | (青) | 2 |
否認 | (1)(青) | 4 |
新たな信仰 | (2)(白) | 2 |
合計(メイン) | 60 | |
合計(サイド) | 15 |
実際の環境でも副陽コントロールと呼ばれていますが、青白副陽と呼ばれることもあります。
白の特色である全体除去や青の特色である打ち消し(呪文や能力の無効化)*9によって長期戦に持ち込み、「副陽の接近」で特殊勝利を決めるのがコンセプトです。盤面をコントロールするためのこれらのカード以外には、素早く確実に副陽を手札に加えるためにドロー系カードも多めに採用されています。
このデッキは勝ち筋を副陽に大きく依存しているため、何らかの理由で副陽を使えなくなってしまった場合は勝つことがかなり難しくなってしまいます。また、相手の後手に回ってしまって盤面のコントロールが追い付かなくなり、そのまま押し切られて負けることもあります。
注目カード1:副陽の接近
デッキのキーカードであり、ほぼ唯一の勝ち筋となるのがこのカード。
雑に使うだけでは7マナも支払っておいてライフを7点回復するだけです。遊戯王で換算すると2800ですね。ライフ回復量としてはかなり豪快な数字ですが、場に干渉できないので、延命措置としてもやや力不足感があります。このカードの真価は特殊勝利能力です。なんと、2枚目の副陽の接近を手札から唱えていたなら、無条件で勝利することができます。相手のライフが5000兆点あっても、自分のライフが1点しかなくても関係ありません。2枚目の副陽は、自身の効果でデッキに戻ったものを使い回しても、手札に元々あったものをそのまま唱えてもかまいません。つまり、もしも自分の手札に副陽が2枚あり、2枚分のマナ・コストを1ターンで支払えるのなら、そのターン中に勝利することも可能なのです。
コスト7、デッキトップから7枚目に戻す、7点回復と7がやたらと多いので能力の処理を覚えやすいのもいいですね。
注目カード2:検閲
スタンダードでの青の打ち消しには、2マナと3マナを中心に、基本の「取り消し」、取り消しの完全上位互換「不許可」、2マナと軽い代わりに打ち消し可能範囲が狭い「否認」「本質の散乱」など様々なカードが存在しますが、多くの青系デッキに採用されているのが、この検閲です。
パッと見ただけでは、追加で1マナ支払わなければ打ち消し、逆に言えば1マナが捻出できるなら打ち消されないというかなり控え目な能力に見えますが、この1マナの差が大事なのです。1マナを笑うものは1マナに泣きます。相手がマナを使い切ったときに叩きつければ確定で打ち消しですから。このような場面はマナが余りにくい2ターン目から4ターン目あたりにかけてよく見られます。また、検閲を警戒した相手が毎ターン1マナ残るようにプレイし、テンポを落とすなんてことも期待できます。どちらもコントロールが苦手とする速攻に対する効果的な抑止力です。
更に、サイクリング能力によって1マナ1ドローの呪文として使うこともできます。これによって終盤も腐らずにむしろ副陽の使用をサポートできるのです。
注目カード3:燻蒸
デッキ紹介でも触れましたが、白(黒もですが)の特徴の1つに全体除去があります。燻蒸はそれに加えてライフ回復というこれまた白の特徴を備えた白らしさ満載の呪文です。
多くのビートダウンデッキはボードアドの獲得は得意でもハンドアドの獲得は苦手なので、直撃させることができれば立て直されることはほぼないでしょう。全体除去の悩みの種に自分のクリーチャーをも巻き込んでしまう点がありますが、燻蒸ならばライフに還元できるので、その短所も多少はカバーできます。
と言っても副陽コントロールにクリーチャーほとんど入ってませんけどね。
ちょい足し候補:アズカンタの探索/水没遺跡、アズカンタ
「アズカンタの探索/水没遺跡、アズカンタ」は今までのものとはちょっと違うカードです。なんと、第1面(表面)に「アズカンタの探索」が、第2面(裏面)に「水没遺跡、アズカンタ」が印刷された両面カードなのです。ですので、デッキに入れる際は両面カードであることがバレないように専用のプロキシかスリーブの使用が不可欠です。
まずは第1面の解説です。何しろ第1面ですから、プレイするときは最初はこちらを表側にします。エンチャントというのはこれまた所謂置物で、除去されるまで戦場に残り、一定の能力を発揮するカードです。探索は、ドロー・ステップの直前のアップキープ・ステップ*10にデッキトップを確認し、不要なら墓地に捨てられる能力を持ちます。つまり、引きたくないカードを避け、毎ターンのドローの質を上げることができるのです。また、墓地に捨てた場合はドローと合わせて2枚分デッキを掘り進むことになるので、デッキトップから7番目に眠る副陽を素早く手札に加えることもできます。そして、変身の条件を達成したとき、カードを裏返し、水没遺跡に変身させることができるのです。
では続いて第2面の解説に移りましょう。水没遺跡は土地なので、マナを生み出し、コストの支払いに充てることができます。しかし、真の役割は違います。2行目の能力を見てください。実はこのカード、マナを生み出す以外にも起動型能力を持っているのです。この能力を使えば、制限があるとはいえ、デッキの中から欲しいカードをどんどん手札に加えられます。相手の動きをコントロールするカードを探すのも良し、勝負を決めに副陽を探すも良しです。
このカードは「伝説の」ですが、表と裏で別名のカードとして扱われるため、両方の能力を使うために最低でも2枚、引ける確率を上げるために3枚採用するのが主流です。
怒涛カウンター
メイン | マナ | 枚数 |
歩行バリスタ | (X)(X) | 1 |
牙長獣の仔 | (1)(緑) | 4 |
屑鉄場のたかり屋 | (2) | 2 |
光袖会の収集者 | (1)(黒) | 4 |
巻きつき蛇 | (黒)(緑) | 4 |
ピーマの改革派、リシュカー | (2)(緑) | 3 |
夢盗人 | (2)(黒) | 3 |
豪華の王、ゴンティ | (2)(黒)(黒) | 2 |
新緑の機械巨人 | (3)(緑)(緑) | 3 |
顕在的防御 | (緑) | 4 |
致命的な一押し | (黒) | 1 |
栄光の刻 | (3)(黒) | 2 |
板歩きの刑 | (黒)(黒) | 2 |
沼 | 8 | |
森 | 7 | |
穢れた果樹園 | 4 | |
霊気拠点 | 4 | |
ハシェプのオアシス | 2 | |
サイド | マナ | 枚数 |
人工物への興味 | (2)(緑) | 2 |
真っ二つ | (2)(緑)(緑) | 1 |
強迫 | (黒) | 4 |
短命 | (1)(黒) | 2 |
野望のカルトーシュ | (2)(黒) | 3 |
没収 | (2)(黒) | 1 |
造命師の動物記 | (3) | 2 |
合計(メイン) | 60 | |
合計(サイド) | 15 |
実際の環境では黒緑カウンターや黒緑巻きつき蛇と呼ばれているデッキです。
自分がカウンター*11を獲得する際に、その数を1つ増やすことができる「巻きつき蛇」によって、自分のクリーチャーをパワーアップさせたり、より多くのエネルギーを貯めこんだりすることでアドバンテージを稼ぎます。このデッキも機体ラッシュと同じく中速前後のスピードとなっており、パワーアップしたクリーチャーと強力な除去で戦闘を優位に進めることが可能です。また、ビートダウンは手札補充が苦手な傾向にありますが、パッケージイラストにもなっている「光袖会の収集者」を維持できれば、それをカバーすることもできます。
一方で、コンボ的側面が少々あるデッキのため、その要である蛇が戦場にいなければ、戦闘力も継戦能力もかなり落ちてしまいます。そして、蛇はデッキに4枚しか存在しません。除去や打ち消しによる排除もさることながら、そもそも序盤に引けない可能性も決して低くありません。
注目カード1:巻きつき蛇
このデッキの核となる超重要なパーツです。良くも悪くもカウンターの数にボーナスを付けるだけなので、副陽と違ってないと絶対に勝てないというワケではありませんが、戦略の前提に存在しているため最速で戦場に出したいカードです。
蛇の維持によって強化されるカードは広範囲に及びます。後述の3枚以外の例を挙げると、エネルギーの生成とカウンターによる自己強化を両方行うためにメリットを二重に受けられる「牙長獣の仔」、元は4つのカウンターを任意のクリーチャーに自由に振り分ける能力だったところを2つのカウンターを4体ずつ(合計8つ)に振り分けられるようにもなる「新緑の機械巨人」などがあります。
もちろん蛇の能力は重ね掛けが可能なため、複数の蛇が存在すればその分だけ獲得するカウンターも増えます。通常は1つだけのカウンターが4体の蛇のお陰で5つに!なんてこともありえるのです。
注目カード2:歩行バリスタ
このデッキの戦闘兼除去兼バーンを担当する万能選手がこの歩行バリスタです。
コストさえあればカウンターを次々搭載してパワーアップし、直接殴ったり、カウンターを射出したりしてダメージを稼ぎます。例えば、カウンターが10個のバリスタのパワーは10、射出能力の起動可能回数も同じく10なので、直接攻撃を決めたあとに10回射出すれば、20点の初期ライフを削り切ることすら可能なのです。
ところでバリスタの画像を見ると、「X」という文字が見られますよね?MTGでは、マナ・コストにXが含まれる場合、Xに0以上の任意の整数を代入します。つまり、コストを払えるなら35億払ってもいいし、X=0として、ビタ一文も出さないことも可能です。そして、ちょっとわかりにくいですが、XXとはX+Xを指します。つまり、バリスタは支払ったマナ・コストの半分のカウンターを搭載して現れるのです。コスト2ならカウンターは1、コスト6ならカウンターは3です。当然、コスト0ならカウンターも0で戦場に出ますが、バリスタの基本のタフネスは0なので、即座に死んでしまいます。要するに、バリスタは実質2マナ以上のクリーチャーなのです。
更に、蛇の解説で触れた通り、バリスタのカウンターにもボーナスが乗ります。それも、戦場に出るときに乗せるカウンターと4マナの起動型能力で乗せるカウンターの両方です。蛇1体がいるときにバリスタを2マナで出した場合、カウンターは1つではなく2つになり、起動型能力であとから乗せるカウンターも2つになるのです。
注目カード3:光袖会の収集者
デッキ紹介でも触れましたが、怒涛カウンターの貴重なハンドアド源がこのカードになります。
2エネルギーと1ライフで1ドローを繰り返すことで息切れを防ぎます。注意してほしいのが、この誘発型能力は各タイミングで1体の収集者につき1回しか使えない点です。4エネルギーと2ライフで2ドローという芸当はできません。ただし、逆に言えば、1体で1回とは、2体で2回、3体で3回という意味でもあります。複数の収集者を維持しコストを支払い続けられるのなら、維持どころか手札を増やすのも夢ではないでしょう。
当然、このカードも蛇の恩恵を受けます。単体運用では2ターンに1回しかドローできないところを、蛇の力があれば、毎ターンドローすることができるのです。
また、威迫*12のお陰でブロックされにくいのも打たれ弱いタフネス1には助かります。
ちょい足し候補:逆毛ハイドラ
雑にそこそこ以上の性能があるので、スタンダードの多くの緑系デッキに雑に採用されがちなこのカードもエネルギー・カウンターと+1/+1カウンターと関わるために蛇の恩恵に与れます。
実質的なスペックがパワー5でタフネス4と、たいていのクリーチャーを殴り殺しつつ呪文による直接火力の基準の3ダメージを耐えられる上に、蛇がいればもっと強力に成長する点も強いのですが、ハイドラの真骨頂は一時的とはいえ呪禁(対象耐性)*13を得られる点にあります。これによって、エネルギーのある限り対象を取る呪文や能力に対して無敵でいられます。エネルギー切れ以外で怖いのは、全体除去に代表される対象を取らない除去、戦場に出る前の打ち消しやハンデスくらいでしょう。
チャレンジャーデッキに共通の欠点
半年限定の短寿命
チャレンジャーデッキはスタンダードでの使用を想定して設計されたデッキですが、そのスタンダードでの使用可能期間は秋までのおよそ半年とかなり短いです。新しいエキスパンション(パック)が発売される度にパーツを少しずつ少しずつ更新することによって寿命を延ばすことができるデッキも少なくないのですが、全てのチャレンジャーデッキはキーカードがスタン落ち間近のため、その時が来てしまえば完全に使用不能になってしまいます。
弱くはないが、強くもない
チャレンジャーデッキは環境級デッキのストラク化であると冒頭で説明しました。しかし、環境入りに必須の高額カードはほとんど収録されていますが、基本的には枚数が抑えられてしまっています。まあストラクって基本そんなものですけどね。個人的にはこれまた冒頭でも書いた通り、かなり太っ腹な方だとは思います。神チャンドラなんてチャレンジャーデッキへの再録が発表されるまでは1枚5000円くらいしてましたし。
欠点を乗り越えろ
新たな戦場で戦え
デッキの寿命に関しては、モダン化(フロンティア化)という手段があります。スタンダードで戦えなくなるのなら、戦場をスタンダードから移せばいいのです。モダンは2003年7/28以降に発売されたカードのうち一部を除いたほとんどのカードが使用可能な上、使用可能カードの更新があるローテーション制度が存在しないフォーマット、フロンティアはモダンのカードプールを2014年7/18以降(例外あり)に狭めたフォーマットです。ただし、フロンティアはモダンと違い、晴れる屋とBIG MAGICが主に採用している非公式フォーマットであることに気を付けてください。より広く設定されたこれらのフォーマットでは、スタンダード以上に強力なデッキが活躍していますが、その莫大なカードプールは、チャレンジャーデッキに頼もしい仲間をもたらすでしょう。
マネー・イズ・パワー
そもそものデッキパワーの不足に関しては、身も蓋もないですが、やはり買い足しで戦力を増強するのが一番確実です。単純にチャレンジャーデッキを複数個買ってもいいですし、パーツを1枚1枚ショップで買っても、パックから運命の出会いを期待してもいいでしょう。そこは個人個人の好みにお任せします。幸い、チャレンジャーデッキの発売によって相場の下落が予想されるので、「パーツを買い足したら総額2万円超えた!」なんてことにはならないと思います。
最後に
とにかく4/6(金)発売のチャレンジャーデッキを買え!
え?ハゾレトアグロが定価より高い値段で予約受付してる?それだけ人気のある商品なのだ……。特に神チャンドラがヤバイのだ……。WotCさん折角だしもっと供給してお願い♡♡♡
こういうプレミアが付きそう(もう付いてる!)な商品はカードゲーム専門店以外に行けばたいてい定価で手に入るので、発売日にヨドバシとかにダッシュ、しよう!熾烈な争奪戦が予想されるけど。
*1:MTGのフォーマットの1つ。直近に発売された5~8種のパックに収録されたカードのみが使えるMTGの主流ルール。格闘技の階級のようなもの。
*2:MTGには自分のターンの初めに場に存在していなかったクリーチャーは攻撃できない(ブロックはできる)という「召喚酔い」ルールがあるが、「速攻」を持つ場合はそれを無視できる。
*3:正確には同名「伝説の」カードの2枚目を自分の場に出すだけなら可能である。しかし、2枚目が戦場に無事着地したあとにどちらかを墓地に送らなければならないので、結果的には1枚しか存在できない。
*4:文字通り「破壊」されない能力。呪文や能力による破壊の他にダメージによる破壊に対応。しかし、追放(遊戯王で言う除外)や生け贄、タフネスが0に修正されたことによる墓地送りといった破壊以外の除去には無力。
*5:MTGにおいては、手札としか書いておらず枚数の指定がない場合には手札全てのことを指している。
*6:パワーの合計が決められた値以上になるように自分のクリーチャーをタップ(以降の攻撃・ブロックへの参加などができなくなる状態。自分のターンの最初などに行う「アンタップ」で元に戻る。)することにより「機体」カードをクリーチャー化させ、戦闘に参加できるようにする。例えば、キランの真意号は搭乗3なので、パワーの合計が3以上になるように自分のクリーチャーをタップする。
*7:通常、クリーチャーは攻撃する際にタップする必要があり、また、タップしているとブロックできない。しかし「警戒」はタップしないで攻撃できるので、自分のターンで攻撃に参加したあとに相手のターンでのブロックにも参加できる。
*8:「先制攻撃」や「二段攻撃」を持たないクリーチャーより先に戦闘ダメージを与える。このダメージによって戦闘相手のクリーチャーが死亡した場合、そのクリーチャーは「先制攻撃」持ちにダメージを与えらえない。
*9:MTGはメインデッキに入れられるものでは土地以外の全てのカードが(クリーチャーすらも)呪文として扱われるので、唱えられたタイミングならありとあらゆるカードに対処できることになる。
*10:各ターンは開始フェイズから始まり、その開始フェイズは、アンタップを行うアンタップ・ステップ、ドローの前に何らかの能力を使えるアップキープ・ステップ、ドローを行うドロー・ステップの3つに分かれる
*11:MTGには「+1/+1カウンター」というそれが乗っているクリーチャーのパワーとタフネスを永続的にそれぞれ1ずつ上昇させるものや「エネルギー・カウンター」という様々な呪文や能力のコストに使われるものなど、たくさんのカウンターが存在する。
*12:「威迫」を持つクリーチャーをブロックする際は、必ず2体以上のクリーチャーを用いなければならない。威迫持ちで攻撃したときに相手のブロック可能クリーチャーが1体なら、それは直接攻撃になる。
*13:「呪禁」は相手の呪文や能力の対象にならない能力。また、あるカードが既に呪文や能力の対象となっている場合でも、その処理が行われる前に呪禁を付与できれば守ることができる。このルールにより、ハイドラは前もって呪禁になる必要がなく、相手の行動を見てから後出しで対応することが可能。